三十三間堂ってどんなところ?歴史や見どころ・アクセスについて徹底解説

京都東山に佇む三十三間堂。
その扉を開けば、1001体もの千手観音像が整然と並ぶ光景に誰もが息をのみます。
国宝の本尊・千手観音坐像を中心に、極彩色に輝く風神・雷神像、鎌倉時代の名工による28体の守護神像。
これらが創建から800年以上の時を超え、静かに私たちを見守り続ける姿には、日本の美と信仰の深遠さが凝縮されています。
この記事では、そんな三十三間堂について、歴史や見どころ、アクセスなどを詳しく見ていきましょう。
三十三間堂ってどんなところ?

三十三間堂は、正式名称を蓮華王院本堂といい、京都市東山区にある天台宗の寺院です。
1164年に後白河法皇によって創建され、1266年に再建された歴史ある建造物です。
名前の由来は、本堂の柱間が33あることから「三十三間堂」と呼ばれています。
この「33」という数字は、観音菩薩が衆生を救うために現れる33の姿にちなんでいます。
建物の最大の特徴は、その圧倒的な規模と内部に安置される仏像の数々です。
本堂は東西に細長く、長さ約120メートルの木造建築としては日本最長を誇ります。
内部には、国宝の本尊「千手観音坐像」を中心に、等身大の千手観音立像が1000体整然と並び、さらに風神・雷神像や二十八部衆など、計1031体もの仏像が安置されています。
毎年1月には「通し矢」という伝統的な弓道大会が行われ、多くの観光客が訪れる京都を代表する名所です。
三十三間堂の歴史
三十三間堂は800年以上の歴史を持つ京都を代表する寺院です。
正式名称「蓮華王院本堂」として知られるこの建造物は、数々の歴史的変遷を経て今日まで守られてきました。
その長い歴史を紐解きながら、この寺院の持つ文化的・宗教的価値についてご紹介します。
創建と後白河法皇の思い
三十三間堂は1164年(長寛2年)、後白河法皇の発願によって創建されました。
元々は法皇の六条御所の東側に建てられた「蓮華王院」という寺院の本堂でした。
法皇は自らの極楽往生を願い、千手観音を本尊とする堂宇を建立したとされています。
初期の建物は現在よりも小規模でしたが、すでに千体を超える観音像が安置されていたと伝えられています。
法皇の深い仏教信仰と、当時の浄土思想の影響を強く受けた建築物であり、平安末期の貴族社会における仏教文化の象徴でもありました。
焼失と再建の歴史
創建からわずか100年余り後の1249年(建長元年)、三十三間堂は兵火により焼失してしまいます。
当時の日本は武家社会への移行期にあり、政治的混乱も少なくありませんでした。
しかし、九条道家の発願により1266年(文永3年)に現在の姿に再建されました。
再建された堂は、間口が33間(約60m)、奥行7間(約12m)で、東西に長い独特の形状となりました。
この時に安置された1001体の千手観音立像と本尊の千手観音坐像は、鎌倉時代の仏師たちの優れた技術を今に伝える貴重な文化財となっています。
近代以降の保存と文化財としての価値
江戸時代を経て明治以降、三十三間堂は国の文化財として認識されるようになります。
1897年(明治30年)には「古社寺保存法」により本堂が特別保護建造物に指定され、1951年には国宝に指定されました。
また、堂内の仏像群も国宝や重要文化財として保護されています。
2000年代に入ってからは大規模な保存修理工事が行われ、建物の耐震性強化や屋根の葺き替えなどが実施されました。
現在は年間約100万人の参拝者が訪れる京都の重要な観光スポットであるとともに、日本の木造建築技術と仏教美術の精髄を今に伝える貴重な文化遺産として大切に守られています。
三十三間堂の見どころ
三十三間堂は圧倒的な数の仏像と壮大な建築で訪れる人々を魅了し続けています。
国宝・重要文化財を多数有するこの寺院には、日本の伝統美と信仰心が凝縮されています。
ここでは、初めて訪れる方にもぜひ注目していただきたい三十三間堂の主要な見どころをご紹介します。
- 千手観音立像の大群
- 国宝・千手観音坐像
- 二十八部衆と風神雷神像
千手観音立像の大群

三十三間堂の最大の見どころは、何と言っても120mの細長い堂内に整然と並ぶ1000体の千手観音立像です。
これらは藤原時代末期から鎌倉時代初期にかけて、70年もの歳月をかけて制作されたもので、全て重要文化財に指定されています。
各像は人間と同じ等身大(約1.6m)で、細部まで精巧に作り込まれています。
特筆すべきは、1000体全てが少しずつ表情や姿が異なる点です。
中央に安置された「三十三間堂形」と呼ばれる千手観音立像は、他と比べて少し大きく作られており、1000体を代表する存在として崇められています。
堂内を歩きながら、それぞれの仏像の表情の違いを観察するのも楽しみ方の一つです。
国宝・千手観音坐像

堂内中央に安置されている本尊の千手観音坐像は、日本を代表する仏像彫刻の最高傑作の一つとされる国宝です。
平安時代後期の1254年に仏師・湛慶(たんけい)によって制作されたこの像は、高さ約3.3mの堂々とした姿を誇ります。
理論上は1000本の手を持つとされる千手観音ですが、実際には42本の手に様々な持物を携え、それぞれが異なる救済の象徴となっています。
頭部には11の小さな顔(十一面)を持ち、さまざまな方向を向いて衆生を見守る姿は荘厳そのものです。
また、像の周囲には風神・雷神像も配置され、千手観音の神聖さを際立たせています。
この本尊は通常、暗闇の中でひっそりと安置されていますが、その存在感は堂内全体に広がっています。
二十八部衆と風神雷神像
三十三間堂には、千手観音像のほかにも見逃せない仏像群があります。
その代表が、本尊を守護する二十八部衆と風神・雷神像です。
二十八部衆は、インド神話の神々を仏教に取り入れた守護神で、それぞれが個性的な姿をしています。
特に、怒りの表情を浮かべた阿修羅像や、象の頭を持つ金剛象菩薩などは迫力満点です。
これらは鎌倉時代の名工・運慶の一門によって作られたとされ、写実的な表現と躍動感あふれる造形は見る者を圧倒します。
また、本尊の両脇に配された風神・雷神像は、その鮮やかな彩色と生き生きとした表情で人気を集めています。
これらの像は、単なる守護神としてだけでなく、当時の日本彫刻の最高水準を示す芸術作品としても高く評価されています。
三十三間堂のおすすめ観光シーズンは?
三十三間堂は一年を通して楽しめる観光スポットですが、特におすすめのシーズンがあります。
まず冬の1月には「通し矢」という伝統行事が行われ、堂内の特別拝観も可能になります。
春は桜の季節に境内が美しく彩られ、比較的混雑が少ない4月下旬から5月上旬が快適です。
初夏の6月は新緑が美しく、梅雨入り前の晴れた日は仏像を照らす光も柔らかです。
秋の10月下旬から11月中旬は紅葉シーズンで、周辺の東山一帯と合わせて散策するのがおすすめです。
また、観光客が比較的少ない平日の早朝に訪れると、静かな雰囲気の中で仏像群をゆっくり鑑賞することができます。
各季節で異なる魅力がありますので、自分の好みに合わせて訪問時期を選ぶとよいでしょう。
三十三間堂のアクセス
三十三間堂は京都市東山区に位置し、様々な交通手段で訪れることができます。
京都観光の拠点となる京都駅からも、他の観光名所からも比較的アクセスしやすい立地にあります。
ここでは、主要な場所からの具体的なアクセス方法をご紹介します。
京都駅からのアクセス
京都駅から三十三間堂へは複数のアクセス方法があります。
最も一般的なのは市バスを利用する方法で、京都駅前のバスターミナルからA1乗り場の100番、206番、208番に乗車し、「博物館三十三間堂前」で下車すると目の前です(所要時間約15分、料金230円)。
タクシーを利用する場合は約10分、料金は1,000円程度です。
また、徒歩でも約25分(約2km)で行くことができ、七条通を東へ進むルートがわかりやすいでしょう。
京都駅から東山方面へ向かう観光コースとして人気があり、東福寺や智積院と合わせて訪れる方も多いです。
金閣寺からのアクセス
金閣寺から三十三間堂へは、市バスを乗り継ぐのが便利です。
金閣寺前バス停から市バス101、102、204、205番などに乗車し、「四条河原町」または「四条烏丸」で下車します。
そこから京都市バス207番に乗り換え、「東山七条」または「博物館三十三間堂前」で下車すると徒歩すぐです(合計所要時間約50分、料金460円)。
タクシーを利用すれば直行で約25分、料金は2,500円程度です。
また、京都市内の観光には一日乗車券(700円)が経済的です。
金閣寺と三十三間堂を同日に観光する場合は、間に清水寺や祇園などの東山エリアの観光スポットを挟むとスムーズな移動ができます。
三十三間堂の拝観料・参観時間
以下は三十三間堂の基本情報をまとめた表です。
項目 | 内容 |
---|---|
拝観時間 | 8:00~17:00(4月~11月) 9:00~16:00(12月~3月) ※年中無休 |
拝観料 | 大人(高校生以上):600円 中学生:400円 小学生:300円 ※団体割引あり(30名以上) |
所要時間目安 | 約30分~1時間 |
所在地 | 京都市東山区三十三間堂廻町657 |
最寄りバス停 | 「博物館三十三間堂前」下車すぐ |
最寄り駅 | 京阪「七条駅」より徒歩約7分 JR「京都駅」より徒歩約20分 |
三十三間堂のおすすめ周辺スポット
三十三間堂を訪れた際には、東山エリアにある他の魅力的な寺社仏閣も合わせて巡るのがおすすめです。
東山一帯は京都を代表する観光地で、歴史的な寺院が集中しています。
徒歩圏内にも見どころが多く、効率良く京都の歴史と文化に触れることができます。
ここでは特におすすめの周辺寺社仏閣を3つご紹介します。
智積院

三十三間堂から徒歩約5分の場所にある智積院は、真言宗智山派の総本山です。
1601年に開創された由緒ある寺院で、豊臣秀吉の菩提を弔うために建立されました。
見どころは国宝に指定されている「三十三間堂形」と呼ばれる客殿と、狩野派による美しい障壁画です。
特に「瀟湘八景図」は日本美術史上最高傑作の一つとされています。
また、春の枝垂れ桜と初夏のしゃくなげの名所としても知られており、観光客が比較的少ないため、静かな雰囲気の中で日本庭園を眺めながら至福のひとときを過ごせます。
国宝と重要文化財が多数あるにも関わらず穴場的存在のため、混雑を避けて京都の寺院建築と庭園美を楽しみたい方に特におすすめです。
東福寺

三十三間堂から徒歩約15分または市バスで数分の距離にある東福寺は、鎌倉時代に創建された臨済宗東福寺派の本山です。
特に紅葉の名所として知られ、秋には「通天橋」から見下ろす紅葉の渓谷が絶景です。
境内は広大で複数の国宝や重要文化財を有し、方丈庭園は鎌倉時代を代表する禅僧・夢窓疎石の作庭と伝わる四方の庭園が見事です。
東司(トイレ)は日本最古の禅寺様式を残す貴重な建築物として知られています。
春の新緑、夏の青もみじ、秋の紅葉、冬の雪景色と四季折々の美しさを楽しめる寺院で、特に混雑の少ない早朝参拝がおすすめです。
禅寺ならではの厳かな雰囲気と日本庭園の美しさを堪能できる、京都屈指の名刹です。
建仁寺

三十三間堂から市バスで約10分、徒歩なら約20分の場所にある建仁寺は、日本最古の禅寺として知られています。
1202年に栄西禅師によって創建され、臨済宗建仁寺派の本山です。
方丈に描かれた国宝「風神雷神図屏風」の複製画や、「双龍図」の天井画は圧巻の迫力です。
また、「○△□庭」(まるさんかくしかくにわ)と呼ばれる現代的なデザインの枯山水庭園も見どころの一つです。
祇園に隣接し、観光客で賑わう地域にありながら、境内に一歩足を踏み入れると静寂に包まれる空間が広がります。
京都の市街地中心部にありながら深い禅の世界を体験できる貴重な場所であり、三十三間堂からのアクセスも良好なため、東山観光の締めくくりにぴったりの寺院です。
金閣寺周辺でのお食事は錦鶴へ

お食事処錦鶴は、京都金閣寺から徒歩3分のところにあり、四季折々の京野菜や湯葉、湯豆腐といった京都の特産品を使用した料理を提供しております。
特に、直径30cmの大きなお椀に盛り付けられた「金閣弁当」は当店の名物で、これまで多くの方に愛されてきました。
錦鶴は、修学旅行でご利用いただける弁当から、お祝いや法要などの特別な機会にも対応可能な豪華な御膳まで、幅広いメニューを取り揃えています。
京都の食文化を体験したい方、大切な人とのお食事の場として、また日常的な和食を楽しみたい方は、ぜひ錦鶴をご利用ください。
質の高い料理と心のこもったサービスで、お客様の食事時間と京都旅行の思い出を豊かにするお手伝いをさせていただ蹴ますと幸いです。
三十三間堂についてよくある質問
三十三間堂の「三十三間」とは何ですか?
「三十三間」とは、本堂の柱と柱の間(まま)が33あることに由来しています。
「間」は建築用語で、柱間の単位(約1.8m)を表します。本堂は桁行(けたゆき)が35間、梁間(はりま)が7間で、実際の柱数は33ではありませんが、正面から見た際の柱の間隔が33あることから「三十三間堂」と呼ばれるようになりました。
また、33という数字は観音菩薩が衆生を救うために現れる33の姿に関連しており、宗教的な意味も込められています。
千手観音の手は実際に千本あるのですか?
三十三間堂の千手観音像は、理論上は千本の手を持つとされていますが、実際の仏像ではそれを表現することは物理的に困難です。
本尊の千手観音坐像では42本の手が表現されており、それぞれが25の世界を救うという考え方から、42×25=1050となり、千手の意味を象徴的に表しています。
また、立像の千手観音も同様に、実際の手の数は40本程度で、それぞれが異なる持物を持ち、様々な救済方法を表現しています。
千手観音の「千」は具体的な数というより、非常に多いという意味を持っています。
「通し矢」とは何ですか?
「通し矢」は毎年1月中旬(成人の日の次の日曜日)に三十三間堂で行われる伝統的な弓道大会です。
正式名称は「大的全国大会」といい、江戸時代から続く行事です。
当時、三十三間堂の西側の長い縁側(約120m)で弓の腕試しが行われたことが始まりで、「二十歳の矢」とも呼ばれる成人の儀式的な意味合いもあります。
かつては「通し矢」の最中に参拝者が堂内で祈りを捧げる風習もありました。
現在は堂外の特設会場で行われますが、この日は特別に堂内の拝観料が無料になるなど、多くの人で賑わう三十三間堂の冬の風物詩となっています。
三十三間堂の仏像はすべて同じ姿をしているのですか?
三十三間堂に並ぶ1000体の千手観音立像は、一見すると同じように見えますが、実は細部まで観察すると顔の表情や髪型、持物などに微妙な違いがあります。
これらは10体のタイプに分類でき、「慶派」「院派」「奈良仏師」など、当時の異なる仏師集団によって制作されたためです。
また、風神・雷神像や二十八部衆はそれぞれが全く異なる姿をしており、特に二十八部衆は象頭や猪頭など個性的な形相をしています。
三十三間堂の魅力の一つは、一体一体の仏像の違いを発見しながら鑑賞できる点にあります。
時間をかけてじっくり観察するのがおすすめです。
まとめ
歴史と信仰が息づく三十三間堂は、京都を代表する寺院として800年以上の時を越えて今に伝わっています。
後白河法皇の発願から始まり、幾多の変遷を経てきたこの寺院には、千手観音立像1000体をはじめとする圧巻の仏像群が安置されています。
四季折々の美しさと様々な見どころを持つ三十三間堂は、周辺の東福寺や智積院などと合わせて訪れることで、より深く京都の魅力を堪能できるでしょう。
静かに時を刻み続けるこの空間で、日本の美と信仰の深遠さに触れる旅をぜひ体験してみてください。