龍安寺ってどんなところ?歴史・見どころ・アクセスについて徹底解説
白砂と15個の石が織りなす神秘的な庭園に、世界中の人々が魅了され続けています。
京都市右京区に佇む世界遺産・龍安寺は、1450年に室町幕府の有力者・細川勝元によって創建された禅寺です。
エリザベス女王が絶賛し、世界的な注目を集めることになった石庭は、見る角度によって石の数が変化するという不思議な特徴を持ちます。
その作者も作庭意図も謎に包まれたまま、600年もの時を超えて私たちの心を揺さぶり続けています。
四季折々の表情を見せる鏡容池の庭園との対比も見どころの一つ。
静寂に包まれた境内で、あなたも心を澄ませ、禅の世界に浸ってみませんか。
龍安寺ってどんなところ?
京都市右京区に位置する龍安寺は、世界遺産に登録された臨済宗妙心寺派の禅寺です。
最大の見どころは、東西30m、南北10mの白砂に15個の石を配置した枯山水の石庭で、エリザベス女王の絶賛をきっかけに世界的な注目を集めました。
石庭には黄金比や遠近法といった西欧の手法が取り入れられ、限られた空間に無限の広がりを感じさせます。
また境内南側には広大な鏡容池があり、四季折々の花々や景色を楽しむことができるでしょう。
方丈の北側には、徳川光圀が寄進した「知足の蹲踞」があり、「吾唯知足」の文字が刻まれています。
方丈東庭では、日本最古とされる侘助椿が見られ、豊臣秀吉も愛でたと伝えられています。
龍安寺の歴史
龍安寺は、室町時代から現代まで570年以上の歴史を刻む名刹です。
本章では、そんな龍安寺の歴史について紐解いてみましょう。
創建から応仁の乱まで
宝徳2年(1450年)、室町幕府の有力者・細川勝元が徳大寺家から別荘を譲り受け、妙心寺第五世の義天玄承を開山として創建しました。
寺名の由来は、中国北宋の龍安山兜率寺の従悦禅師が張商英の参禅を指導したことにちなんでいます。
しかし、創建からわずか18年後の応仁2年(1468年)、東軍の総大将だった細川勝元の寺であったため、西軍の攻撃を受けて焼失しました。
再興と発展
長享2年(1488年)、勝元の実子である細川政元が再興に着手し、明応8年(1499年)に方丈が完成。
その後、織田信長や豊臣秀吉らが寺領を寄進し、特に秀吉は1588年に訪れた際、鳥獣伐木を制する禁札を立て、寺の保護に努めました。
江戸時代には鏡容池がオシドリの名所として知られ、池泉回遊式庭園として高い評価を得ていました。
近代から世界遺産へ
寛政9年(1797年)に大規模な火災で方丈や仏殿を失いましたが、現在の方丈は塔頭・西源院から移築されたものです。
昭和29年(1954年)に方丈庭園が国の特別名勝に指定され、昭和50年(1975年)にはエリザベス女王が石庭を拝観したことで世界的な注目を集めました。
そして平成6年(1994年)、石庭および境内全域が「古都京都の文化財」として世界遺産に登録され、国内外から多くの観光客が訪れる名所となっています。
龍安寺の見どころ
世界遺産に登録された龍安寺には、禅の心を映す庭園や建造物が点在します。
静寂に包まれた境内では、心を落ち着かせながら、日本の伝統美と禅の世界に触れることができます。
本章では、そんな龍安寺の見どころを見ていきましょう。
- 世界が認めた石庭の神秘
- 知足の教えを伝える蹲踞
- 四季を映す鏡容池
①世界が認めた石庭の神秘
白砂に15個の石を配置した枯山水庭園は、エリザベス女王も絶賛した世界的名所です。
東西30m、南北10mの空間に、5・2・3・2・3の配置で据えられた石は、見る角度によって数が変化する不思議な特徴を持ちます。
黄金比や遠近法を用いた構成は、限られた空間に無限の広がりを感じさせ、作者不明の謎も相まって、600年もの時を超えて私たちの心を揺さぶり続けています。
②知足の教えを伝える蹲踞
方丈の北側には、徳川光圀が寄進した「知足の蹲踞」があります。
中央の水穴を「口」の字に見立て、周りに刻まれた文字を組み合わせると「吾唯知足」となり、現状に満足することを知る人の心の豊かさを説く禅の教えが込められています。
茶室に入る前に手を清めるための蹲踞は、日常の所作の中に禅の精神を見出す、日本文化の真髄を感じさせます。
③四季を映す鏡容池
境内南側に広がる鏡容池は、かつて貴族が舟を浮かべて風雅を楽しんだ由緒ある庭園です。
春の桜、夏の睡蓮、秋の紅葉など、四季折々の自然美が水面に映り込む様は、石庭とは異なる華やかな表情を見せてくれます。
江戸時代にはオシドリの名所として知られ、今も鷺や鴨が羽を休める姿が見られます。
龍安寺のおすすめ観光シーズンは?
龍安寺は四季折々の表情を見せる寺院で、季節ごとに異なる魅力を楽しむことができます。
特に紅葉シーズンの11月下旬から12月上旬は、約400本のモミジが境内を鮮やかに彩り、鏡容池に映る紅葉が幻想的な景色を作り出します。
春は桜と侘助椿の季節で、3月上旬から4月上旬にかけて日本最古とされる侘助椿が開花。
夏には鏡容池に睡蓮が咲き誇り、涼やかな景色を楽しめます。
混雑を避けるなら、開門直後の午前8時頃か、夕方の時間帯がおすすめです。
特に朝一番は人が少なく、静かな環境で石庭や庭園を楽しむことができます。
龍安寺のアクセス
龍安寺は京都市右京区に位置し、複数の交通手段でアクセスできます。
観光客の多くは京都駅や金閣寺から訪れるため、それぞれの行き方を詳しく解説します。
京都駅からのアクセス
京都駅からは市バス50番系統が最も便利な交通手段です。
バス停「立命館大学前」で下車し、徒歩7分で到着します。
所要時間は約1時間で、バス料金は230円です。
また、JR山陰本線を利用する場合は、京都駅から花園駅まで乗車し、そこから徒歩約2キロ(30分)で到着します。
タクシーを利用する場合は、約2,500円かかりますが、交通事情により料金は変動します。
アクセス方法 | バス、タクシー |
所要時間 | バス:1時間 タクシー:30分 |
料金 | バス:230円 タクシー:約2,500円 |
金閣寺からのアクセス
金閣寺から龍安寺へは、「きぬかけの路」と呼ばれる道沿いに位置しており、市バス59系統の山越中町行きに乗車し「龍安寺前」で下車するのが便利です。
徒歩の場合は約20分で到着します。
金閣寺から龍安寺までの道のりには仁和寺など他の名所も点在しているため、散策しながら巡るのもおすすめです。
アクセス方法 | バス、徒歩 |
所要時間 | バス:数分 徒歩:20分 |
料金 | バス:230円 徒歩:0円 |
龍安寺の拝観料・参観時間
龍安寺の基本情報を以下の表にまとめました。
項目 | 内容 |
---|---|
拝観時間 | 3月1日~11月30日:8:00~17:00 12月1日~2月末日:8:30~16:30 |
拝観料金 | 大人:600円 高校生:500円 小・中学生:300円 ※障害者手帳所持者は半額 |
休館日 | 年中無休 |
所要時間 | 30~40分 |
駐車場 | 石庭拝観者は1時間無料 |
龍安寺のおすすめ周辺スポット
龍安寺の周辺には、世界遺産をはじめとする見どころが点在しています。
特に以下の3つのスポットがおすすめです。
金閣寺(鹿苑寺)
正式名称を鹿苑寺という世界遺産で、金箔で覆われた三層の楼閣が有名です。
2020年に約20年ぶりとなる屋根の葺き替え工事が完了し、新たな輝きを放っています。
境内には樹齢約600年の「陸舟の松」があり、京都三大松の一つとして知られています。
また、金閣を取り囲む鏡湖池には、金閣と紅葉が水面に映り込む絶景スポットがあり、特に秋は多くの観光客で賑わう京都でも有数の観光地です。
仁和寺
遅咲きの「御室桜」で有名な世界遺産です。
国宝・重要文化財の堂宇が立ち並び、江戸時代に建てられた二王門は京都三大門の一つとして知られています。
霊明殿には11cmほどの薬師如来坐像が祀られており、毎月8日の縁日には限定御朱印を授与しています。
春の桜シーズンは特に美しく、龍安寺と合わせて訪れる価値があります。
等持院
足利将軍家の菩提寺として知られ、2020年に霊光殿と方丈の改修工事が完了しました。
夢窓疎石作と伝わる庭園では、皐月や半夏生、芙蓉など季節の花々を楽しむことができます。
秋の紅葉シーズンは特に美しく、日本映画の歴史とも深い関わりがあり、境内には映画監督マキノ省三の墓もあります。
静寂な雰囲気の中で歴史と自然を感じられる穴場スポットです。
金閣寺周辺でのお食事は錦鶴へ
お食事処錦鶴は、京都金閣寺から徒歩3分のところにあり、四季折々の京野菜や湯葉、湯豆腐といった京都の特産品を使用した料理を提供しております。
特に、直径30cmの大きなお椀に盛り付けられた「金閣弁当」は当店の名物で、これまで多くの方に愛されてきました。
錦鶴は、修学旅行でご利用いただける弁当から、お祝いや法要などの特別な機会にも対応可能な豪華な御膳まで、幅広いメニューを取り揃えています。
京都の食文化を体験したい方、大切な人とのお食事の場として、また日常的な和食を楽しみたい方は、ぜひ錦鶴をご利用ください。
質の高い料理と心のこもったサービスで、お客様の食事時間と京都旅行の思い出を豊かにするお手伝いをさせていただ蹴ますと幸いです。
龍安寺についてよくある質問
龍安寺の石庭は何個の石で構成されているのですか?
東西30m、南北10mの白砂の庭園に15個の石が配置されています。石は5・2・3・2・3の配置で据えられており、どの角度から見ても15個すべての石を同時に見ることができない特徴があります。
これは禅の世界における「不完全」を表現しているといわれています。
龍安寺はいつ世界遺産に登録されたのですか?
1994年に「古都京都の文化財」の構成資産として世界遺産に登録されました。
特に石庭は1975年にエリザベス女王が訪れて絶賛したことをきっかけに、世界的な注目を集めるようになりました。
龍安寺の見学にはどのくらいの時間が必要ですか?
一般的な見学所要時間は30~40分程度です。
ただし、石庭での瞑想や鏡容池での散策を楽しむ場合は、1時間程度の時間を確保することをおすすめします。
まとめ
京都市右京区に位置する龍安寺は、世界遺産に登録された臨済宗妙心寺派の禅寺です。
白砂と15個の石が織りなす神秘的な石庭は、エリザベス女王も絶賛し、世界的な注目を集めています。
境内には四季折々の表情を見せる鏡容池があり、春の桜、夏の睡蓮、秋の紅葉など、石庭とは異なる華やかな景色を楽しむことができます。
また、徳川光圀が寄進した「知足の蹲踞」や、日本最古の侘助椿なども見どころの一つです。
金閣寺から徒歩約20分とアクセスも良く、京都観光の際は、ぜひ足を運んでみてください。