妙心寺ってどんなところ?歴史・見どころ・アクセスについて徹底解説
「西の御所」と呼ばれ親しまれる妙心寺は、全国3,400以上の寺院を持つ臨済宗妙心寺派の大本山です。
花園天皇が愛した地に建立されたこの寺院には、46もの塔頭寺院が建ち並び、まるで一つの街のような広大な寺院群を形成しています。
法堂の天井には、狩野探幽が描いた「雲龍図」が存在し、見る角度によって表情を変える龍の姿は、多くの人々を魅了し続けています。
また、日本最古の梵鐘や、映画のロケ地としても使用された美しい庫裏など、歴史と文化が息づく見どころが随所に残されています。
1000年の時を超えて受け継がれてきた禅の世界が、ここ妙心寺では今なお生き続けているのです。
本記事では、そんな妙心寺について歴史や見どころを詳しく見ていきましょう。
妙心寺ってどんなところ?
妙心寺は、京都市右京区に位置する臨済宗妙心寺派の大本山で、全国に3,400以上の末寺を持つ日本最大級の禅寺です。
1337年に花園法皇の勅願によって創建され、「西の御所」とも呼ばれています。
46もの塔頭寺院が建ち並び、まるで一つの街のような広大な寺院群を形成しています。
特に、勅使門から三門・仏殿・法堂・大方丈までが南北一直線上に配置された伽藍配置は、他の寺院と比べても珍しい特徴です。
見どころとして、狩野探幽が8年の歳月をかけて描いた法堂の「雲龍図」や、映画のロケ地としても使用された「庫裏」、国宝に指定されている日本最古の梵鐘などがあります。
妙心寺の歴史
妙心寺は、京都市右京区に位置する臨済宗妙心寺派の大本山として、700年近い歴史を刻んできました。
本章では、そんな妙心寺の歴史について紐解いていきましょう。
花園法皇による創建
1335年、第95代花園天皇が落飾して法皇となり、自身の花園御所を禅寺に改めることを発願しました。
当時この地域には公卿の邸があり、四季折々の花が咲き乱れていたことから「花園」と呼ばれていました。
1337年、花園法皇の禅の師である大燈国師・宗峰妙超の推挙により、その高弟である関山慧玄が開山となりました。
南北朝時代の発展
1338年に花園法皇は玉鳳院を建立し、関山慧玄に参禅しました。
1347年には妙心寺への熱い思いを「往年の宸翰」に記し、翌1348年に崩御されました。
その後、応永6年(1399年)には応永の乱により足利義満によって没収され、龍雲寺と改名を余儀なくされる苦難の時期もありました。
室町時代以降の繁栄
永享4年(1432年)に妙心寺の名が返還され、日峰宗舜禅師により中興されました。
応仁の乱で一度は焼失しましたが、雪江宗深禅師が後土御門院から再興の綸旨を得て復興。
永正6年(1509年)には境内地が現在の規模まで拡大され、七堂伽藍が建てられ、次々と塔頭が創建されていきました。
妙心寺の見どころ
妙心寺には、歴史ある見どころが点在しています。
特に以下の3つは、訪れた際に必ず立ち寄りたいスポットです。
- 法堂の雲龍図
- 国宝の大庫裏
- 日本最古の梵鐘
①法堂の雲龍図
狩野探幽が8年の歳月をかけて描いた天井画で、「八方にらみの龍」と呼ばれています。
見る角度によって表情が変化し、頭の方から見ると空から降りてくる龍に、尻尾の方から見ると空へと昇る龍の姿に見えます。
内部には富士山麓から運ばれた高さ8メートル、周囲2メートルのケヤキの巨大な柱が並び、圧倒的な存在感を放っています。
②国宝の大庫裏
妙心寺の台所として使用される大庫裏は、映画のロケ地としても使用された美しい建造物です。
入り口から続く大きな廊下は美しく磨き上げられ、奥には一度に200合のご飯を炊ける釜が5つも並んでいます。
何百人もの食事を一度に調理・配膳できる設備を備え、禅寺の無駄のない生活を今に伝えています。
③日本最古の梵鐘
法堂内に安置されている国宝の梵鐘は、約1300年前に造られた日本最古の紀年銘鐘です。
「黄鐘調の鐘」と呼ばれ、その音色が雅楽十二律の黄鐘調に合うことからこの名が付けられました。
『徒然草』にも記された名鐘で、現在は保存のため法堂内に展示されています。
妙心寺のおすすめ観光シーズンは?
妙心寺は四季折々の美しさを楽しめますが、特に春と秋がおすすめの時期です。
春は桜の名所として知られ、特に退蔵院の紅枝垂れ桜は見事です。
例年4月10日頃に見頃を迎え、石庭とのコントラストが美しい景色を見せてくれます。
秋は紅葉の名所として人気があり、11月中旬から12月上旬にかけてが見頃です。
特に退蔵院の余香苑では、池を囲むモミジやカエデが鮮やかに色づき、水面に映る紅葉が美しい景色を作り出します。
夏には東林院で沙羅双樹の花を楽しむことができ、朝に咲き夜には散る「一日花」として知られています。
混雑を避けるなら、平日の早朝がおすすめです。
妙心寺へのアクセス
妙心寺は京都市右京区に位置し、複数の交通手段でアクセスできます。
観光客の多くは京都駅や金閣寺から訪れるため、それぞれの行き方を詳しく解説します。
京都駅からのアクセス
最も便利な方法はJR嵯峨野線の利用です。
京都駅から花園駅まで約15分、そこから南門まで徒歩5分です。
バスを利用する場合は、京都駅前から市バス26系統に乗車し「妙心寺北門前」で下車、徒歩2分で到着します。
タクシーを利用する場合は約25分で到着します。
地下鉄と市バスを組み合わせることもでき、状況に応じて最適なルートを選べます。
金閣寺からのアクセス
金閣寺道バス停から市バスを利用するのが一般的です。
204号または205号系統に乗車し「北野白梅町」で下車、そこから嵐電に乗り換えて「妙心寺駅」まで約3分です。
バスと電車を合わせた料金は480円です。
タクシーを利用する場合は約7分で到着し、料金は約1,000円です。
徒歩でも約30分で到着可能で、京都の街並みを楽しみながら移動できます。
妙心寺の拝観料・参観時間
妙心寺の基本情報を以下の表にまとめました。
項目 | 内容 |
---|---|
拝観時間 | 午前:9:00~12:00 午後:13:00~16:00 (12:00~13:00は休止) |
拝観料 | 大人:500円 小学生・中学生:200円 |
休日 | 無休(ただし特定日は拝観休止) |
所要時間 | 30分~1時間程度 |
駐車場 | 自家用車:700円(参拝者は無料) 大型バス:2,500円(要予約) |
電話番号 | 075-461-5226 |
特記事項 | ・拝観チケットの販売は15:30まで ・閉門時間は16:00 ・団体(10名以上)は要予約 ・修学旅行パスポート所持者は記念品付き |
妙心寺のおすすめ周辺スポット
妙心寺の周辺には、歴史ある見どころが点在しています。
特に以下の3つのスポットがおすすめです。
①等持院
妙心寺から徒歩圏内にある寺院で、足利氏の菩提寺として知られています。
足利尊氏の墓所があり、歴史的価値の高い寺院です。
境内には美しい庭園があり、静寂な雰囲気の中で歴史に思いを馳せることができます。
特に紅葉の季節には庭園が鮮やかに色づき、心落ち着く景色を楽しむことができます。
②龍安寺
妙心寺から徒歩約29分の場所にある世界遺産の寺院です。
特に有名な石庭は国の特別名勝に指定されており、世界的に知られる枯山水庭園です。
15個の石を配した庭園は、どの角度からも全ての石が見えない神秘的な設計で知られています。
また、鏡容池という回遊式の池があり、四季折々の花を楽しむことができます。
③仁和寺
妙心寺から約20分の場所にある世界遺産の寺院です。
888年に宇多天皇によって創建され、御室桜の名所として知られています。
五重塔や金堂など、荘厳な建造物が立ち並び、平安時代の面影を今に伝えている観光名所です。
特に金堂は京都御所の紫宸殿を移築したもので、国宝に指定されています。
また、境内には阿弥陀三尊像をはじめとする貴重な仏像も所蔵されています。
金閣寺周辺でのお食事は錦鶴へ
お食事処錦鶴は、京都金閣寺から徒歩3分のところにあり、四季折々の京野菜や湯葉、湯豆腐といった京都の特産品を使用した料理を提供しております。
特に、直径30cmの大きなお椀に盛り付けられた「金閣弁当」は当店の名物で、これまで多くの方に愛されてきました。
錦鶴は、修学旅行でご利用いただける弁当から、お祝いや法要などの特別な機会にも対応可能な豪華な御膳まで、幅広いメニューを取り揃えています。
京都の食文化を体験したい方、大切な人とのお食事の場として、また日常的な和食を楽しみたい方は、ぜひ錦鶴をご利用ください。
質の高い料理と心のこもったサービスで、お客様の食事時間と京都旅行の思い出を豊かにするお手伝いをさせていただ蹴ますと幸いです。
妙心寺についてよくある質問
妙心寺の法堂の雲龍図とは何ですか?
狩野探幽が8年の歳月をかけて描いた天井画です。
富士山麓から運ばれた高さのあるケヤキの柱が並び、荘厳な雰囲気を醸し出しています。
法堂は重要文化財に指定されており、開山忌や達磨忌などの重要な法要が行われる場所です。
妙心寺の規模はどのくらいですか?
境内には46の塔頭寺院が建ち並び、末寺は日本をはじめ世界各国に3,400ヶ寺以上あります。
在籍僧数は約7,000人を数え、花園大学や花園高校なども関連機関として持つ、日本最大級の禅寺です。
妙心寺はなぜ「花園」という地名なのですか?
この地域には昔、公卿の邸があり、四季折々に美しい花が咲き乱れていたことから「花園」と呼ばれるようになりました。
花園天皇がこの地を愛し、離宮を禅寺に改めたことが妙心寺の始まりです。
まとめ
臨済宗妙心寺派の大本山である妙心寺は、全国に3,400以上の末寺を持つ日本最大級の禅寺です。
花園法皇の離宮を禅寺に改めて1337年に創建され、46の塔頭寺院が建ち並ぶ広大な寺院群を形成しています。
法堂には狩野探幽が8年かけて描いた「八方にらみの龍」で知られる雲龍図があり、日本最古の梵鐘も所蔵されています。
映画のロケ地としても使用された国宝の大庫裏など、見どころも豊富です。
禅の世界と日本の伝統文化が息づくこの歴史ある寺院に、ぜひ足を運んでみてください。