平野神社ってどんなところ?歴史・見どころ・アクセスについて徹底解説
「桜の名所は京都に数多くありますが、平野神社の桜は特別です」
平安貴族たちが愛でた「平野の夜桜」は、1000年以上の時を超えて、今なお私たちを魅了し続けています。
約60種400本もの桜が織りなす花景色は、まるで平安絵巻のような優美さを見せます。
春には淡いピンクの花びらが境内を埋め尽くし、夜になると幻想的なライトアップに照らされた桜が、まるで天女の羽衣のように輝くのです。
その美しさは、伊勢神宮、松尾大社と並ぶ格式高い神社にふさわしい気品を湛えています。
「平野造」と呼ばれる独特の本殿建築、釘を使わない伝統工法で建てられた拝殿など、見どころは桜だけではありません。
本記事では、そんな平野神社の見どころや歴史について紹介していきます。
平野神社ってどんなところ?
平野神社は、京都市北区に位置する式内社で、伊勢神宮、松尾大社と並ぶ格式高い神社です。
794年の平安遷都と同時にこの地に遷座され、源氏や平氏の氏神として崇敬を集めてきました。
本殿は「平野造」または「比翼春日造」と呼ばれる独特の建築様式を持ち、重要文化財に指定されています。
拝殿は徳川秀忠の娘・東福門院の寄進によるもので、釘を使わない接木工法で建てられた珍しい建物です。
特に桜の名所として有名で、約60種400本もの桜が植えられています。
平安時代から続く「平野の夜桜」は都を代表する花見の名所として知られ、3月中旬から4月下旬まで長期間にわたって様々な種類の桜を楽しむことができます。
平野神社の歴史
平野神社は、奈良時代から続く由緒ある神社で、平安京の歴史とともに歩んできました。
本章では、そんな平野神社の歴史について紐解いていきましょう。
創建と平安京への遷座
平野神社は元々、奈良の平城京の田村後宮に祀られていた神社でした。
延暦元年(782年)には今木神が従四位上の神階を授けられるなど、すでに高い格式を持っていました。
平安京遷都の際、794年に現在地に遷座され、これは京都の神社の中で唯一の事例となっています。
当時の境内は金閣寺までを含む2キロ四方という広大な敷地を有していました。
平安時代の繁栄
平安時代には皇太子守護の性格を持ち、例祭「平野祭」では皇太子自らが奉幣を行うほどの格式を誇りました。
特に源氏や平氏、高階氏などの有力氏族から氏神として崇敬を集め、981年には円融天皇の行幸も行われるなど、朝廷との結びつきも深いものでした。
伊勢、賀茂、岩清水、松尾に次ぐ名社として数えられ、その地位は揺るぎないものでした。
近世以降の発展
中世の動乱期には一時荒廃しましたが、寛永年間(1624年-1644年)に西洞院時慶によって再興が図られ、現在の重要文化財である本殿が建立されました。
近世には100石の社領を有し、桜の名所としても知られるようになりました。
現在の境内は昭和時代に西大路通拡張のため西側が削られましたが、約400本の桜が植えられた風光明媚な神社として親しまれています。
平野神社の見どころ
平野神社には、歴史ある見どころが点在しています。
特に以下の3つは、訪れた際に必ず立ち寄りたいスポットです。
- 重要文化財の本殿
- 約60種400本の桜
- 桜苑と夜桜
①重要文化財の本殿
「平野造」または「比翼春日造」と呼ばれる独特の建築様式を持つ本殿は、寛永年間(1624年-1644年)に建立されました。
4殿2棟からなり、一間社春日造の社殿を2殿ずつ繋げた珍しい形式です。
第一殿から第四殿にはそれぞれ今木神、久度神、古開神、比売神が祀られており、空殿を挟んで連結する形式は平野神社独自のものとして知られています。
②約60種400本の桜
平安時代より生命力を高める象徴として植樹されてきた桜は、現在約60種400本が植えられています。
特に「平野寝覚」「平野妹背」「平野突羽根」など、平野神社原木の珍しい品種も多く存在します。
3月中旬から4月下旬まで長期間にわたって様々な種類の桜を楽しむことができ、夜間はライトアップも実施されます。
③桜苑と夜桜
江戸時代から庶民に開放された「平野の夜桜」は、京都を代表する花見の名所として知られています。
特に夜桜の時期には、はんなりとした灯に照らされた桜が幻想的な雰囲気を醸し出します。
桜苑では早咲きから遅咲きまでの様々な品種を観賞でき、3月23日から4月14日までは夜間も開園されています。
平野神社のおすすめ観光シーズンは?
平野神社は四季折々の美しさを楽しめる神社ですが、特に桜の季節が最も魅力的です。
3月中旬から4月下旬まで、約60種400本の桜が次々と開花し、約1ヶ月半もの長期間にわたって花見を楽しむことができます。
夜間ライトアップが実施され、はんなりとした灯に照らされた夜桜を楽しめます。
また、「平野妹背桜」「魁桜」「御衣黄」など、平野神社原木の珍しい品種も多く、それぞれの桜の個性を楽しむことができるでしょう。
混雑を避けるなら平日の早朝がおすすめです。
平野神社へのアクセス
平野神社は京都市北区に位置し、複数の交通手段でアクセスできます。観光客の多くは京都駅や金閣寺から訪れるため、それぞれの行き方を詳しく解説します。
京都駅からのアクセス
最も一般的な方法は市バスの利用です。
京都駅前バスターミナルから50系統または205系統に乗車し、「衣笠校前」で下車、徒歩約3分で到着します。
所要時間は約35分、料金は230円です。
また、JR嵯峨野線を利用する場合は、京都駅から円町駅まで乗車(約10分、190円)し、そこから徒歩約23分で到着します。
タクシーを利用する場合は、所要時間約20分、料金は約2,500円です。
アクセス方法 | バス、電車、タクシー |
所要時間 | バス:約35分 電車:約30分 タクシー:20分 |
料金 | バス:230円 電車:190円 タクシー:約2,500円 |
金閣寺からのアクセス
金閣寺から平野神社は非常に近く、市バス204系統を利用するのが便利です。
金閣寺道バス停(Bのりば)から「衣笠校前」まで約3分、料金は230円です。
バス停から平野神社までは徒歩約3分で、バスは約10~15分に1本運行されています。
タクシーを利用する場合は、所要時間約3分、料金は500円程度です。
アクセス方法 | バス、タクシー |
所要時間 | バス:3分 タクシー:3分 |
料金 | バス:230円 タクシー:500円 |
平野神社の拝観料・参観時間
平野神社の基本情報を以下の表にまとめました。
項目 | 内容 |
---|---|
参拝時間 | 6:00~17:00 桜の時期(3/23~4/14)は夜間も開放(日没~21:00) |
拝観料 | 境内:無料 桜苑:500円(パンフレット付) |
所要時間 | 30分~1時間 |
休日 | 年中無休 |
駐車場 | 17台(40分/200円) ※混雑時は公共交通機関推奨 |
御朱印 | 通常:500円(9:00~16:30) 限定:700円(西大路七福社ご利益めぐり) |
平野神社周辺のおすすめスポット
平野神社の周辺には、歴史ある見どころが点在しています。
特に以下の3つのスポットがおすすめです。
北野天満宮
平野神社から徒歩約10分の場所にある北野天満宮は、全国約1万社以上ある天満宮・天神社の総本社です。
学問の神様として知られる菅原道真を祀る神社で、境内には梅の名所として知られる梅苑があります。
毎月25日には境内で「天神さん」と呼ばれる露天市が開かれ、多くの参拝客で賑わいます。
等持院
平野神社から徒歩約15分の場所にある等持院は、足利家の菩提寺として知られる臨済宗天龍寺派の寺院です。
国宝の霊光殿には足利歴代将軍の木像が安置され、夢窓国師作と伝えられる東西二つの庭園があります。
特に心字池と芙蓉池を中心とした庭園は、四季折々の花々や紅葉が美しい景色を見せます。
建勲神社
平野神社から徒歩約15分の場所にある建勲神社は、織田信長をご祭神として祀る神社です。
船岡山の山頂に位置し、境内からは大文字山や京都市街を一望できます。
御朱印や御朱印帳、授与品にも信長や刀剣をモチーフにしたデザインが取り入れられており、ユニークな参拝スポットとして人気です。
金閣寺周辺でのお食事は錦鶴へ
お食事処錦鶴は、京都金閣寺から徒歩3分のところにあり、四季折々の京野菜や湯葉、湯豆腐といった京都の特産品を使用した料理を提供しております。
特に、直径30cmの大きなお椀に盛り付けられた「金閣弁当」は当店の名物で、これまで多くの方に愛されてきました。
錦鶴は、修学旅行でご利用いただける弁当から、お祝いや法要などの特別な機会にも対応可能な豪華な御膳まで、幅広いメニューを取り揃えています。
京都の食文化を体験したい方、大切な人とのお食事の場として、また日常的な和食を楽しみたい方は、ぜひ錦鶴をご利用ください。
質の高い料理と心のこもったサービスで、お客様の食事時間と京都旅行の思い出を豊かにするお手伝いをさせていただ蹴ますと幸いです。
平野神社についてよくある質問
平野神社の桜の見頃はいつですか?
3月中旬から4月下旬まで、約60種400本の桜が次々と開花します。
特に夜間ライトアップ期間は幻想的な夜桜を楽しめます。
平野神社の本殿の特徴は何ですか?
「平野造」と呼ばれる独特の建築様式で、4殿2棟が空殿を挟んで連結する珍しい形式です。
国の重要文化財に指定されています。
平野神社の歴史はどのくらい古いのですか?
794年の平安遷都と同時に現在地に遷座された、京都でも特に古い神社です。
源氏や平氏の氏神として崇敬を集めてきました。
平野神社のご利益は?
源気新生、生活安泰、邪気払い、生産力など、総合的な運気向上のご利益があります。
特に桜の季節は生命力を高める効果があるとされています。
まとめ
794年の平安遷都と同時に現在地に遷座された平野神社は、伊勢神宮、松尾大社と並ぶ格式高い神社です。
本殿は「平野造」または「比翼春日造」と呼ばれる独特の建築様式を持ち、重要文化財に指定されています。
源氏や平氏の氏神として崇敬を集め、境内には約60種400本の桜が植えられ、「平野の夜桜」として知られる桜の名所です。
3月中旬から4月下旬まで長期間にわたって様々な桜を楽しむことができ、夜間にはライトアップも実施されます。
京都へお越しの際は、1000年以上の歴史と桜の美しさが調和する平野神社に、ぜひ足を運んでみてください。